ニチバン巻心ECOプロジェクト

 プロジェクト名は『ニチバン巻心ECOプロジェクト』と命名されています。「巻芯」ではなく、「巻心」となっており、心のこもったプロジェクトとなっています。ニチバン様が、回収した粘着テープの巻芯を古紙回収業者に買い取ってもらい、ダンボールに再生します。その利益と巻芯の個数に応じたニチバン株式会社様からの支援金が、当団体の植林活動に役立てられています。

ニチバン巻心ECOプロジェクト

2009年当時の海岸線

●2009年のボカナ村
 ニチバン株式会社様と、ネグロス島の4か所の地域で植林活動を行ってきました。そのうちの一つであるボカナ村は、2009年の調査時点で既にすべてのマングローブ林を喪失し、広大な砂浜が広がっていました。浜辺のすぐ近くに住戸が写っていますが、大波に流されてしまうのではないかと心配していました。その当時、このサイトの植林の定着が難しいと想定していました。

  

2015年当時の海岸線

  

●現在のボカナ村
 事前調査を経て、住民団体を結成し、2011年にボカナ村で住民とともに植林を開始しました。2015年の写真を見ますと、海岸線に沿ってマングローブが順調に育っているのがわかります。ここの住民団体はしっかりしています。植林サイトにボートが侵入してくると、陸からおばちゃんが大声で注意するそうです。現在までに145,000本の植林を行いました。この地域における生存率は、80%に及び、植林面積にすると、5ヘクタールになります。概算ですが、このボカナ村で植林したマングローブが、年間125~220トンの二酸化炭素を吸収します。

ボカナ村の衛星写真

●Google Map状のボカナ村
 なんとGoogle Mapで植林の状況を見ることができます。2018年頃の衛星写真と考えられます。活動当初は何もなかった海岸線に、確実にマングローブの森が形成されています。今後も引き続き、ニチバン株式会社様との植林活動を行い、環境保全活動を継続していきます。

ご支援いただく皆さまから

●卯月利征様(ニチバン株式会社 経営企画室広報宣伝部長)

2010年から毎年続けている植林活動によって、マングローブが大きく育ち、現地の方々の生活に寄与できていることを大変嬉しく思います。 植林活動は小さな活動ですが、続けることがとても大切な活動だと改めて感じています。 今後も弊社事業を通じ、小さな活動をコツコツと続けていき、環境保全の一助となれるように、植林活動を続けていきたいと考えています。

●榊原智穂様(スタディツアー参加の日本福祉大学付属高校の指導教員)

国際協力部顧問でもあり、ひとりの大人として、フィリピンのマングローブ林の現状について学び、地球環境について考えたいと思い、2016年8月スタディーツアーに参加しました。以前マングローブ林があっただろう広大な砂浜に、心を込めて1本1本丁寧に植樹しました。のちに植樹した木のすべてが大きく育つ訳ではないことを知り、部員たちとアイディアを出し合い1本でも多く植樹できるよう「フィリピンにみどりを!」と題し、高校生と取り組みを続けています。