講演後夫と息子とともに再登壇

1月13日、理事の倉田がシニア自然大学地球環境「自然学」講座で、「フィリピンにおける森里海連環学の実践」という表題で講演しました。

この講座のコーディネーターである田中克京都大学名誉教授には、在学中にお世話になって以来、2010-2013にJICA草の根事業実施中JICAフィリピンにいらした方の紹介で再開し、私たちの活動に注目をいただいていました。 今年度は、この講座で森里海の分野で活躍する女性に焦点を当てるということで、お声かけいただきました。

平均年齢70歳というシニアの方々で、この講座で自然に関する様々なことを学ばれた大先輩の受講生のみなさんに何をどう話したらいいのか、4月からずっと考えていましたが、年末年始になんとかまとめることができました。 当日は、自分がどうして森里海に関心を持つもったかというところから、フィリピンに赴任してまず始めに取り組んだマングローブの植林について、そして森里海の実践となるJICAプロジェクトの実施によって現地の人がどのように変わったかについて、そして今始まったばかりの有機農業のプロジェクトについてお話ししました。始めはぎこちない口調でしたが、受講生との質疑応答の時間をとることにより、関心事項を確認する事ができ、最後までお話しすることができました。

質疑応答の一部を紹介します。

Q.フィリピンというと、60年代に日本の財閥が大木を切り出したというイメージがある。

A.さすが、環境問題に関心のある方の「フィリピンのイメージは?」という問いかけに対するコメント。実際にそれが起こったのは事実で、イカオ・アコで植林を行っているネグロスの山でも、60年代に架線を張って大木が切り出されたため、現在は上層木のない二次林が残っている。

Q.沿岸部に住むおばあさんは、これまで山に一度も行ったことがなかったということだが、なぜそんなに長い間生きていて行ったことがないのか?

A.山間部には以前NPA(反政府組織)が潜んでいたので、怖いところというイメージがあった。また、山までの交通費は片道120円程度であるが、そのおばあさんにとっては1日潮干狩りをしてとれたかいの売り上げくらいの大金であった。

Q.有機農業を導入する際に、なぜサトウキビから野菜に転換させるのか?サトウキビを有機で育てるのではダメか?

A.サトウキビを有機で育てる取り組みもある。ただ、対象としているのは農地改革で小規模なサトウキビ農地を地主から分け与えられた農民。サトウキビは、年に1度しか収穫できず、小規模では採算が合わない。このため、小さい土地を有効に活用するために有機農業で野菜を栽培することを推奨している。野菜に転換すると、同じ面積でサトウキビの30倍の売り上げが期待できる。

講演の最後に夫と2ヶ月の息子と共に登壇させて頂き、受講生の皆さんから、「今日は来てよかった」、「フィリピンが身近に感じられました」という言葉をいただくことができ、産後、授乳をしながらの準備は大変だったけど、やってよかったと、大業を成し遂げた気分になりました。 このような機会をいただいた田中先生、大阪シニア自然大学の飯田さん、そして応援してくれた家族に感謝します。

講演後シニア自然大学のスタッフさんたちと