私達の森づくり

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フィリピンの森林について

地形

フィリピンは、7,000以上の島からなる島国で、環太平洋造山帯の一部として日本とつながっています。地形は日本と似ており、島の中心部に山脈が南北に走り、水源から河口までの距離が短い川が多いです。

フィリピンの森林は、高地は亜熱帯林、平地は熱帯林、汽水域にはマングローブ林が広がっています。複雑な地形により、生物多様性が高く、森林に依存する哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類の数は、およそ3万8,600種にのぼると推測されています。

森林の減少

第2次世界大戦後も国土の半分以上を占めていた森林ですが、1960年代からの大規模な伐採、鉱業開発、伐採地での焼畑農業等により、大幅に減少し、1980年代に入っても、土地転換や焼畑農業、森林火災、過剰伐採などにより減少が続きました。

森林保全・造林の取り組み

マングローブの植林

森林の減少により、自然災害の増加や環境の悪化が顕著になってきたため、フィリピン政府は、1970年代後半から森林資源の保全、荒廃地の緑化のため、各種の造林プログラムや森林保全に関する法整備を実施してきました。その結果、1990年の22%から森林面積は微増しており、2010年には26%まで回復しています。

マングローブについて

マングローブとは、熱帯・亜熱帯地方の汽水域に形成される植物群体の総称です。(マングローブという名前の木はありません)分類方法によって異なりますが、世界中では80種類以上のマングローブに分類される植物が存在します。マングローブは、海岸沿いの波風・塩水・土中の酸素不足等、植物にとって不利益な環境に耐える、特別な機能を進化させた植物です。

フィリピンのマングローブ

フィリピンは熱帯~亜熱帯に位置しているため、全土の汽水域でマングローブが見られ、沿岸域ではマングローブの名前に由来した地名がたくさんあります。フィリピン全土では46種類のマングローブが観察されています。

マングローブの役割

マングローブは古くから、造船や建築・定置網の杭・炭・屋根材料・食用等として利用されています。マングローブ林とそれに続く湿地は、多様な生態系の中でも最も生物多様性が高い生態系と言われており、多数の微生物、貝類、魚類、両生類、鳥類の住処となっています。また、マングローブは沿岸にすむ住民の民家を高波や強風、海岸浸食から守る役割も果たしています。さらに、森林の与えるリクリエーション効果や空気や水の浄化機能も重要な役割です。

マングローブの減少

フィリピンのマングローブは、1970年代からエビや魚の養殖池への転換によって大規模に減少しました。マングローブの減少を食い止めるため1998年にマングローブに属する樹木の一切の伐採禁止が法律で定められたのですが、実際には違法伐採や養殖池の再開拓などが行われているのが現状です。

イカオ・アコの取り組み

イカオ・アコでは、1997年からフィリピンのネグロス島及びボホール島でマングローブの植林を行っています。2017年までに151万本の植林を達成し、約10ヘクタールの森林が衛星写真から確認できるようになりました。

アグロフォレストリーについて

アグロフォレストリー (英語:Agroforestry) とは、樹木を植栽し、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業のことです。森を育てながら、空いた空間で農業をすることで短期的な収入も得られることから、村人の理解と協力を得やすい植林方法です。

フィリピンの山村の暮らしと森林

フィリピンの山村は、都市からのアクセスが悪く、水や電気・通信電波などのインフラが整っていないところがあります。水牛を使って田畑を耕し、豚や鶏を飼ってイベントの時にふるまう習慣があります。森林が背後に残っている地域は、空気がきれいで水が豊富ですが、森林が破壊されたところでは、強い日照りと乾燥により作物が育ちにくくなっています。わずかに天然林が残る地域は、自然保護区域に指定されており、域内での伐採は強く規制されていますが、生活のために伐採し炭を焼いたり、開墾する行為は後を絶ちません。

イカオ・アコの取り組み

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イカオ・アコでは、2009年からネグロス島の山村に入り、アグロフォレストリーの指導を行っています。マンゴーやマランなど高木になる果樹をボランティアと共に植樹し、その間にコーヒー・カカオ・バナナなどを植栽します。さらに、斜面にはタロイモを栽培することも推奨しています。

オーガニックカフェでの販売

現地で運営しているオーガニックカフェでは、アグロフォレストリーの手法で栽培したコーヒー、タロチップ、バージンココナッツオイルなどを販売しています。

 

 

 

流域管理

流域とは、一つの河口に集まる水のもとになっている降水のもたらされる範囲のことを言います。水は、森の水源地から、人が住む里を通って、海に排出されます。この繋がりから、海の汚染は、その上流部の森林破壊や人間の経済活動によることが考えられます。そこで、日本では都道府県といった行政区単位で環境対策を行うのではなく、県界を超えて流域単位で環境対策を行っていこうという動きがあります。

森と海の間の里

私たち人間は、流域の中でも森と海の間にあたるところに里を作って生活をしています。私たちの生活は、森や海からの恵みを受けて成り立っています。食卓では、森からのきれいな水で育ったお米を、新鮮な近海の海の幸をおかずにいただいています。日本の多くの住宅は、森の木でできた木造のおうちですしね。その反面、人間の生活は、森や海に少なからぬ負担をかけています。きれいな水を使って汚い水を流したり、森を開き鉱山を開発したり、畑や宅地にしたり、海を埋め立てて工業団地にしたり…このような意味で、人間の活動のある「里」は、流域の生態系の中で無視できない存在となっています。

森と里と海のつながりを考えると

森と海はもともとつながっていることが自然でしたが、人々のものの考え方が分断していき、森は森の生活、海は海の生活といったように、別々のものとしてとらえるようになってきました。学問の世界でも、森林学、社会学、海洋学が別々になっています。しかし、もともとはつながっていたものを切り離してみると、真実が見えなくなってしまうことがありますね。たとえば、海岸線が後退しているという事実の原因を検証するために、海の流れなどを観察していたが、実際の原因は上流部にダムができたことであったという事があります。そのようなことを防ぐためにも、私たちは森と里と海のつながりを意識して活動を行っていく必要があります。

イカオ・アコの取り組み

イカオ・アコでは、このような考え方のもと、流域の上流と下流で環境活動を行っています。植林活動を通した上・下流の住民の交流や、小中高校生への環境教育を行い、森・里・海のつながりを意識することの重要性を訴えています。

イカオ・アコの始まり

イカオ・アコは、第2次世界大戦中に日本軍の通信使としてフィリピンネグロス島に駐在していた土居純一郎さんの呼びかけで始まりました。土居さんは、戦後日本に帰国し、教師としての人生を歩んでおられましたが、50歳の時に慰霊団と共にネグロスを訪問された際、戦後フィリピンに取り残された日本人や日系2世、3世の人々の困窮した生活を目の当たりにし、いてもたってもおられず、私財を投げ込んでこのような方々の支援に人生を捧げられました。1995年、戦後70年がたち、現地の日系人たちの生活も現地の住民程度のレベルに落ち着いてきたことを見て、残留日系人だけではなく現地の人々皆のためになる活動を行いたいと、土居さんから現代表の後藤に声がかかり、みんなの利益になる「環境」活動をやっていこうという事で、1996年にマングローブの植林を始めました。

イカオ・アコの意味

イカオ・アコとは、現地の言葉で「あなたと私」という意味です。フィリピン人のスタッフが考えてくれた団体名ですが、「あなたと私(フィリピン人と日本人)が手を取り合って、一緒に環境活動を行っていきましょう」という意味が込められています。あのような悲惨な戦争が二度と起こらぬよう、環境活動を通してフィリピン人と日本人の友好を築いていくことが私たちの使命です。

苗木と共に友情を育てる

植林を通じて日本とフィリピンの友情を築く私たちは、マングローブや果樹の苗木を現地の子供たちや住民団体のメンバーと共に植林しています。日本人のボランティアと現地のボランティアが1本の苗木を共に植えることで、その苗木と共に一人一人の心に友情の気持ちを育てます。日本に帰ったボランティアの多くは、共に植えたフィリピン人の友だちと連絡を取りながら、現地に植えた苗木と友人を訪ねるため、再びネグロス島を訪れています。イカオ・アコでは、そのようなボランティアを受け入れるために、国際協力研修センターを設立しました。

 

マングローブの植林Q&A

イカオ・アコが行っているマングローブの植樹についてのQ&Aです。マングローブについてもっと詳しく知りたい方は、こちらでマングローブに関する書籍をお求め下さい。

なぜマングローブなの?
マングローブは、塩分を含む海水が届く地に、唯一森を作ることができる植物です。フィリピンの海岸線には主要な都市が点在していますが、台風によって海岸線が何メートルも後退することがあります。また、マングローブ林は、食べることのできる魚やカニを含む様々な生き物の住処になります。マングローブは、海岸線に生きる漁民たちの暮らしを守るバリケードなのです。
そもそも、マングローブって何?
マングローブは、海水の届く海岸や河川沿いに生育する植物の総称です。世界中の熱帯・亜熱帯の海岸線に約80種(分類によって異なる)が生息しており、そのうちフィリピンでは47種が確認されています。
マングローブの植樹に必要なものは?
自然や地域の住民への愛と、一緒に植樹をした人との友情と、マングローブに関する少しばかりの知識です。
どんなところに植えるの?
すでにマングローブが生えている、もしくは昔生えていた海岸線や養殖池跡地です。マングローブは、泥の深い沼地や泥のたまった黒い砂浜を好みます。時には深い泥にはまりながら、時には砂浜で水浴びをしながら、マングローブを植えています。
いつ植えるのがいいの?
植える場所によって異なります。西ネグロス州では、風が北から南に吹いている時(ノースモンスーン、10月~3月)が植樹に適しているといわれています。反対側の東ネグロス州ではその逆です。
苗木はどんなもの?
樹種によって異なります。バカウ(ヤエヤマヒルギ属)は、胎生種子といって母樹に着いている間に葉っぱを出す種をつけます。この種は、成熟したものを木から手で取って直接植林地に挿しています。一方、小さな種をつけるパガパット(マヤプシキ)は、自然に生えてきた苗木をカップに移し適当な大きさになるまで育ててから、植林地に移植します。イカオ・アコが植樹する苗木は、すべて地元の人たちが近くの森から採取し、育成した苗木です。
植えた後に必要なことは?
マングローブは植えるだけでは育ちません。特に波の当たる海岸線沿いの植林地は、波によって流されたり、流れてきたゴミや海藻などが引っかかって死んだりすることがしばしば起こります。定期的な見回りやゴミ拾いなどのメンテナンスが欠かせません。イカオ・アコの植林地では、現地の住民団体と一緒に植樹することによって友情が根付いています。そして、彼らがメンテナンスを継続して行っていけるように、養殖事業への投資などの経済的な支援も行っています。また、現地駐在員が定期的に現地を訪問し、現地住民団体の活動や植林木の様子をモニタリングしています。
何年くらいで大きくなるの?
植樹した場所や、樹種によって異なります。イカオ・アコが6年前に植樹したパガパットは、高さが約5mまで成長しています。また、マングローブが確実に定着したかどうかの指標となる気根(空気を取り込むための根)又は支柱根(本体を支えるために横に張り出した根)が生え始めるまでに約3年かかります。
そのほかの質問は?
下記のお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

マングローブ資料集

自作の資料です。

Handbook of Mangroves in the Philippines-Panay Introduction 日本語訳 PDF

 

 

 

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イカオ・アコのオフィシャルブログ です。2004年~書き続けています。

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